365体育投注

图片

東工大ニュース

「6G×超スマート社会」をテーマに第6回超スマート社会推進フォーラムを開催

公開日:2022.11.24

東京工業大学が牽引する超スマート社会推進コンソーシアム(SSS推進コンソーシアム)は、9月30日「6G×超スマート社会」と題した技術フォーラムを大岡山キャンパスの東工大蔵前会館およびオンラインで開催しました。学内外から現地参加者119名が、Zoomでは429名が参加しました。

本フォーラムは、来たるべき6G時代の世界を見据えて、基調講演者3人と講演者5人を招き、ワイヤレス通信における要素技術からサービス、そしてそれらが導く超スマート社会の実現まで、幅広いテーマについて革新的技術や最先端の知見を紹介しました。
同時に、コンソーシアム参加機関の技術的取り組みや活動を紹介する展示会を開催しました。

午前の部

東京工業大学の井村順一理事?副学長(教育担当)および経済産業省商務情報政策局情報産業課の金指壽課長からのあいさつの後、講演者が6G時代に向けた幅広いデーマについての革新的技術や最新の知見について講演しました。

井村副学長
井村副学長

金指氏
金指氏

<基調講演1>「5G/Beyond 5G/6Gへの向き合い方」

東京大学大学院 工学系研究科 森川博之教授

森川教授
森川教授

森川教授はCOVID-19パンデミックにおける社会?世界観の変化と、デジタル技術の役割について紹介し、5Gの土俵に乗ること、多様性の重要さ、ステークホルダーの拡大という3つの観点から、5G/Beyond 5G/6Gにどう向き合うかを述べました。無形資産が増える中、多様な背景を持つ人々を関与させて、問題発見と価値創造、イノベーション促進が重要であることを強調しました。最後に、5G/B5G/6Gが進むことに伴い、組織?制度の変革、いわゆるコーポレートトランスフォーメーション(CX)の重要性を言及しました。

<講演1>「6GとNTTドコモの取り組み」

株式会社NTTドコモ 6G-IOWN推進部 担当部長 永田聡氏

永田氏
永田氏

永田氏は、通信業界と他のすべての業界をつなぐ産学官連携の重要性を述べ、例として倉庫?物流業界の説明をしました。5G技術の振り返りとして、5G標準化のメリット?デメリット、5G商用化の長所?短所などを紹介しました。さらに、6G技術の目標、6G研究の最新動向、および非地上系ネットワーク、インテリジェント反射板や6G周波数帯域などNTTドコモの取り組みについて話をしました。

<講演2>「AI×6GにおけるNECの研究技術」

日本電気株式会社 セキュアシステムプラットフォーム研究所?研究部長 岩井孝法氏

岩井氏
岩井氏

岩井氏はデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けインフラとしての情報ネットワーク技術の重要性と5G/6Gの役割、またエンドツーエンド(E2E)ユーザー体感品質(QoE)制御について説明しました。更に、NECのAIを活用した無線ネットワーク制御技術を、(1)トラフィックの中身を見ずに特徴量からアプリケーションの分析と識別技術、(2)アプリケーションの要求やネットワークの条件に応じたRANのパラメータ最適化技術、(3)重要領域検出とアラーム通知付きの自動運転遠隔管制技術の3つの視点から紹介しました。

岩附教授
岩附教授

午前の部の最後には、超スマート社会推進コンソーシアム運営委員長の岩附信行副学長(国際広報担当)が超スマート社会推進コンソーシアムの説明を行いました。

展示会

展示会で交流する参加者
展示会で交流する参加者

昼休み時間を利用して蔵前会館のロイヤルブルーホールにて、コンソーシアム参加機関による技術展示会を開催しました。参加した12機関ごとにブースを設け、それぞれプレゼンテーション(一部の機関はポスタ展示や実物の展示を含む)を行いました。本館前では東工大と共同研究を進めている機関が、5G端末を用いた新しいサービスをデモンストレーションしました。また、オンライン参加者のために、展示会の中継配信をしました。

参加機関 展示タイトル

  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
    Beyond 5Gによって実現される未来生活とそれを支えるシステムアーキテクチャ
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
    高崎量子応用研究所における量子機能創製研究
  • アンリツ株式会社
    6Gに向けた300GHz帯信号測定技術
  • KDDI株式会社
    Beyond 5G/6Gに向けた「ユーザセントリックネットワーク」実現に向けた取り組み
  • ショーボンド建設株式会社
    超スマート社会を支えるインフラメンテナンス技術
  • 日本電気株式会社
    6Gに向けた分散MIMOの高度化
  • 横河デジタル株式会社
    世界初AIによる自律制御で化学プラントを35日間連続制御
  • 楽天モバイル株式会社
    5Gを活用した楽天モバイルの共創の取り組み
  • 東京工業大学、楽天モバイル株式会社
    Beyond5G超大容量無線通信を支える次世代エッジクラウドコンピューティング基盤の研究開発
  • 大田区
    東京工業大学との連携事例紹介
  • 富士通株式会社、東京工業大学
    反応速度50 msを実現する分散AI技術
  • 超スマート社会推進コンソーシアム
    超スマート社会推進コンソーシアムの紹介

午後の部

<講演3>「大岡山Beyond 5G実証フィールドと超スマート社会への展開 」

超スマート社会推進コンソーシアムコーディネーター/東京工業大学 超スマート社会卓越教育院 院長/工学院 電気電子系 阪口啓教授

阪口教授
阪口教授

阪口教授は5Gの現状を説明した後、Beyond 5G、6Gに至るビジョンを示しました。また、5G/6Gを1つの要素とし、デジタルツイン?MEC?クラウド?センサ?アクチュエータ等の広範な科学技術を統合した「SSS Service Platform」の構想を紹介しました。さらに、大岡山キャンパスに構築されたBeyond 5G Test FieldやSuper Smart Town Ookayamaなどを利用した具体的な研究成果について話をしました。

<講演4>「2030年代の未来生活とBeyond 5Gのシステム概念」

国立研究開発法人情報通信研究機構 Beyond 5G研究開発推進ユニット Beyond5Gデザインイニシアティブ長 石津健太郎氏

石津氏
石津氏

石津氏は2030年代のあるべき姿から、バックキャストして課題を抽出したBeyond 5G/6G White Paperについて紹介しました。まず、未来の人々の生活に関する4つの具体的なシナリオがアニメーションとともに示され、その実現に向けたキーテクノロジーのリストが明示されました。また、Beyond 5Gの目指すべきアーキテクチャの構想を紹介し、組織や専門の異なる人々の間での議論の重要性を強調しました。

<講演5>「6Gに向けた技術課題とエリクソンの取組み」

エリクソン?ジャパン株式会社 チーフ?テクノロジー?オフィサー 藤岡雅宣氏

藤岡氏
藤岡氏

藤岡氏は5Gから6Gへのパラダイムシフトについて、またその実現に向けた技術課題を挙げながら、課題解決に向けたエリクソン社の具体的な取り組みについて紹介しました。今後の重要研究課題として、自動的に望ましい接続を構成し運用を自動化するCognitive Network、エッジコンピューティングを高度化したNetwork Compute Fabric、ネットワークの信頼性とレジリエンス確保、計測センサー機能と通信の融合が強調されました。

<基調講演2>(オンライン)「メタバース対応ワイヤレスネットワーク(Metaverse-ready wireless network)」

6GEM プロジェクトコーディネーター/アーヘン工科大学 ガチヤニン?ハリス(Haris Ga?anin)教授

ハリス教授
ハリス教授

ハリス教授は6GEMプロジェクトについて、5つの研究課題と6つのテストフィールドとプロジェクトのチーム構成について説明があり、続けてメタバース時代の到来を見越したネットワーキング技術の必要性とその実現に向けた技術課題を示しました。その後、課題解決に向けた6GEMの取り組みとレスキューロボットに関するテストフィールドを紹介しました。質疑応答では、今後のSSS推進コンソーシアムと6GEMプロジェクトのコラボレーションが確認され、具体化的な取り組みについて議論がありました。

<基調講演3>(オンライン) 「デジタルツインの役割:実装の視点から(The Role of Digital Twins: an Implementation Perspective)」

デジタルツインコンソーシアム(Digital Twin Consortium)共同代表(Co-Chairman) 天然資源ワーキンググループ(Natural Resources Working Group)ジョン?レイノルズ(John Reynolds)氏

レイノルズ氏
レイノルズ氏

レイノルズ氏はデジタルツインコンソーシアムについて、またその重要性について説明し、成功事例を紹介しました。さらに、デジタルツイン構築を実現するデジタルツイン合成プラットフォーム(Digital Twin Composition Platform)について詳細な説明と、通信分野との融合に向けた活動について紹介がありました。

井上工学院長
井上工学院長

最後に、工学院長の井上光太郎教授が閉会のあいさつを行いました。 本フォーラムの参加者からは、「領域を超えて社会全体をとらえた内容で、非常に参考になりました」、「B5G/6Gの取り組む考え方/姿勢/体制や様々なキーワードを聞くことができて、大変勉強になり、刺激にもなりました」、「通信インフラが社会に貢献する姿、社会が変わっていく未来がイメージできました」などの意見が寄せられました。

当コンソーシアムは今後も引き続き、最先端のテーマを扱う技術フォーラムを開催していく予定です。

お問い合わせ先

超スマート社会推進コンソーシアム事務局

Email inquiry@sss.e.titech.ac.jp