東工大について

2023年 東工大の挑戦は続く

2023年 東工大の挑戦は続く2023年 東工大の挑戦は続く

2023年、新しい年を迎えお慶びを申し上げます。

2022年は、入学式や学位記授与式などの式典、ホームカミングデイ工大祭などのイベントの対面開催がかない、キャンパスが活気づく嬉しい瞬間が多くありました。2021年にオープンした学生交流施設Hisao & Hiroko Taki Plazaでは学生が企画する交流イベントが多数開催され、学生の自主性を育む拠点としての機能がさらに強化されています。

これらの活動は、東京工業大学の構成員一人ひとりのチャレンジ精神、目的へと向かう強い志が形になった結果といえるでしょう。

変化し続ける社会へ、さらなる貢献のために

2022年度から、国立大学法人は6年間の第4期中期目標期間に入りました。東工大の中期目標、これを具体化した中期計画を策定し、これらに基づき教育?研究?ガバナンス?経営など法人としての活動を行っています。また、中期目標期間の開始を機に、本学のこれまでの構想をもとにした戦略としてアクションパッケージを策定し、公開しました。特筆すべきは、これらの指針の中で「理工学の再定義」「科学技術の再定義」を掲げていることです。

変化し続ける社会の中で、大学の役割について私たちは常に見直し、考えてきました。理工学分野が日本の成長を支えてきたという自負はありますが、本当にその殻の中だけで将来を考えて良いのか。学術分野の分化?尖鋭化が進んだ現在、世界規模の課題解決に向けてこれまでの枠組みを再定義することによってさらに貢献できるのではないかと真剣に議論を重ねてきました。本学は科学技術による真理の追究と新たな産業の創出をミッションとしています。その実現に向けて、分野を超えた科学の統合により理工学を再定義することで科学技術の進歩を促進し、脱炭素社会、スマート社会、持続可能な成長社会、人々がウェルビーイングを感じられる社会の創出を目指したいと考えるに至りました。

組織の在り方をも再定義し、新大学の設立へ

そのような背景を踏まえ、本学と国立大学法人東京医科歯科大学は、2024年度中を目途として統合し、1法人1大学となることに合意しました。

統合に向けた基本合意書の締結式にて、東京医科歯科大学の田中雄二郎学長(右)と

統合に向けた基本合意書の締結式にて、東京医科歯科大学の田中雄二郎学長(右)と

新大学の目指す姿として、「コンバージェンス?サイエンス」の展開を掲げています。歴史的に異なる複数の学問領域が融合し、単なる加算ではなく、収斂後に新しい学問領域を生み出すことで未知の課題を発見し、社会課題を解決していくアプローチをコンバージェンス?サイエンスと定義しています。従来の理工学や医歯学の枠組みを再定義し、新たな知の創造により、近未来の幅広い課題の発見と解決に貢献したい。連続的な成長と非連続の成長が融合することで、あるとき飛躍的な変化が生まれると考えています。そのようにして生まれたイノベーションこそが、日本に、世界に変革をもたらすでしょう。

多様な個々人が活躍できる環境の推進

多様な人々で構成されている社会の課題解決を進めるため、東工大ではダイバーシティ&インクルージョンを強力に推進しています。年齢?性別?国籍?人種などの多様性にとどまらず、教育研究のスタイルや価値観などの多様性を含めて互いに尊重しあうことで、よい影響をもたらし、新たな次元を切り拓く“serendipity”(セレンディピティ:偶然の産物)を生み出すと考えています。

東工大ダイバーシティ&インクルージョン

しかし本学の多様性を数字で見たときに、女子学生や女性教員の割合は依然として低い状況にあります。これまでにもさまざまな取り組みを行ってきましたが、飛躍的な向上にはつながっていません。 こうした状況を打破するために、2022年夏には8部局で女性限定の教員公募を行いました。また、2024年4月入学の学士課程入試からは、総合型選抜および学校推薦型選抜において女性を対象とした「女子枠」を導入します。これらは本学の女性比率の向上を飛躍的に加速させるための大きな挑戦となります。この取り組みを起点に、社会全体に、真に多様な人材を生かす環境が育つことを期待しています。

多様な個々人が活躍するための環境づくりにも力を入れています。2023年はそのモデルケースとして、キャンパス内の化粧室や休憩スペースのリニューアルを計画しています。また、中長期的な計画として、学生寮?研究者向け宿舎の整備についても検討を開始しました。さらに、奨学金の拡充やすずかけ台キャンパスでの保育所の整備についても検討します。
多様化する構成員のニーズに合わせ、今後も必要な改善を図ってまいります。

このような大きな変化の中でも変わらないこと――それは本学の学生?教職員、ステークホルダーによる「Team 東工大」との恒常的な対話が最も重要であるということです。対話を重ねて互いを尊重し、理解を深めることができれば、ありたい未来に向けての大きな飛躍となるでしょう。
東工大の大きな決断と挑戦を、ぜひともTeam 東工大一丸となって応援していただけますようお願い申しあげます。

東京工業大学学長
益 一哉

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